Tamura et al. (2021)

L2英語学習者が英語母語話者のように効率性を重視した数の一致処理を行っているかどうかについてを検討した論文です。いわゆる存在のThere構文内に生起する等位接続句(e.g., a cat and a dog)とBE動詞をターゲットとして扱いました。英語母語話者は,There構文内に等位接続句が現れると単数で一致することが知られています(e.g., there is a cat and a dog…)。これは等位接続句全体を処理するまで数の一致を保留するほうが処理効率が悪いからだと言われています。L2学習者がこのような文をどう扱うのかを調査するために2つの実験を行いました。まず,実験1でオフラインの誤り訂正課題を行い学習者の明示的な文法知識を測定しました。結果として,学習者はThere is a cat and dog…のような単数一致の文を複数一致に書き換える傾向が強くありました。また,等位接続句が主語位置に生起する場合は複数一致を正しいと判断していました(e.g., A cat and a dog are…)。実験2では,単語単位で提示される自己ペース読み課題を行い,母語話者とL2学習者のオンラインの文処理を比較しました。すると,L2学習者はthere | is/are | a | cat | and | とandを読んだ際に,複数一致の文(e.g., there are a cat and….)の読みが早くなる傾向が見られたのに対して,英語母語話者はそのような傾向は見られませんでした。このような母語話者とは異なるある種非効率的な文処理は,”A and B”のような等位接続名詞句は常に複数であるという明示的な知識が文処理中に干渉するのではないかと結論づけました。

Tamura, Y., Fukuta, J., Nishimura, Y., & Kato, D. (2021). L2 learners’ number agreement in the expletive there constructions: Conjoined NP always plural? Reports of 2020 Studies in The Japan Association for Language Education and Technology, Chubu Chapter, Fundamentals of Foreign Language Educational Research Special Interest Group (SIG), 2–23. [PDF] (Password to open the PDF: kisoken202001)

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